2014年1月29日水曜日

指輪の話


指輪をお直しに出した。

右の指輪が壊れたのはチェコに行った時。トランクが乗り換えのミラノに置き去りにされて、真冬の極寒の中を着の身着のままで2日間観光した。着るものと化粧品なんか買えば良かったんだけど、窓口の女性のライトな対応に数時間後に届くと思い込んでしまったのが悪かった。届かない荷物、暗い街。カレル橋の上でふと指元を見ると、オパールが一つ取れていた。

左の指輪が壊れたのは去年の夏。知り合いから、亡くなった親類と私に深いつながりを感じると言われた時。素敵な話だという人もいるかもしれない。その時の私は色々な思いで疲れていて、混乱した。指に痛みを感じて指輪を調べると、バラのモチーフの脇が割れていた。

守られているようで無防備なこころ。守ってくれた指輪に感謝を込めて。

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