2009年7月18日土曜日

最近読んだ本


佐藤泰志全集を読んだ。
村上春樹と同年代で、41歳で自宅近くの木で首つり自殺をした男性というのに惹かれ、借りてみた。
北海道出身で、雪国の短い夏をテーマにした作品が多い。彼の自殺によって未完の作品となった「海炭市叙景」は函館を思わせる炭坑近くに済む人々の群像劇で、希望に満ちた少年や、その日を生きる小銭もなくて半ば自殺に近い形で死んでしまう青年、先のない不倫に見切りを付ける女性等の日常が淡々とした口調で語られている。
日常におこる事をテーマにした作品は好きです。文章が短いのも好き。人物の描き方もリアルで、親しい友達が書いた日記を読むような気分になってしまいました。
作中に「炭坑」がよく出てくるのもイイ。炭坑ってなぜかものすごく郷愁を誘われます。私自身は炭坑となんの関係もありませんが。昼間ドロだらけになって働いて、夜は飲んで、賭け事して、色事をして、泥水みたいに寝るのです。人生を感じますよね。閉鎖された炭坑とか...見に行ってみたい...。

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